あたしは、少しドキドキしながらパイを作り始めた。 「そういえばさ」 「ん?」 「幸樹、彼女と別れたって」 「っ?!」 あたしはびっくりして、パイを少し潰してしまう。 幸樹は1歳年下の彼女がいた。 胡桃[クルミ]ちゃんっていう可愛い子で、付き合いはじめは、ずっとノロケを聞かされていた。 なのに、なんで? 「なんで?」 「なんか、幸樹から振ったらしいよ。好きな人ができたって言って」 「へー…」 あんなにラブラブだったから、幸樹はその人のこと相当好きなんだろうな…。