それだけじゃない、 前のあの子とは随分様子が違っていたのも気が付かなかった理由の一つだ。 いつもはシャンと前を向いて姿勢が良くて目は何処か遠くを見ていた。 けれどその日、久しぶりに見たその子はドアの隅に俯いて、背中を丸めながら立っていた。 俺は人を挟んですぐ近くにいて、あの子の匂いがした気がして横を見てみたら奥にそれらしい子がいるのを見つけた。 あんまりにも前と違うから別人かと思った。 けど、電車が揺られた時、一瞬見えたその子の顔は、間違いなくあの子だった。