「じゃあお昼は冷蔵庫の中にあるからね。行ってくるね。ちゃんと家の中涼しくしなきゃダメよ。熱中症になっちゃうから。」


「うん。わかったよ。行ってらっしゃい。」


そう言うとおばあちゃんは少し心配そうな顔をしながらも出かけて行った。


そんなに心配しなくてもいいのにな。
出かけることが申し訳ないと思っているようだった。
と、いうか私がいきなり予定も考えず押しかけてきた形なので受け入れてくれただけでも大分ありがたい話なのだ。

「あぁ。」

ボスっと扇風機の前に寝転ぶ。

これって愛されてるってことなのかな。

それとも同情?

私がいるのは母方の祖父母の家だ。


「自分の娘がやったことに責任感じて私に優しくしてくれるのかな。」

優しさを素直に受け止めるだけの清い心を私は持っていない。

多分、おじいちゃんもおばあちゃんもそんなことは思っていないとは思う。
ただ私を愛してくれているとも思う。


頭ではね、わかってるんだよ。




ひねくれてるかもしれないけど私自身を無条件で愛してくれる人なんていないんじゃないかと思ってしまうんだ。


「てかこんなひねくれてたら誰も私なんて愛してくれるわけないじゃん。」


その声は部屋の中によく響いた。