森山邸に住み始めて半年がたった。

「宮城さん
ありがとうございました。」

「では、また
お迎えに参ります。」

運転手の宮城(みやぎ)さんに
ドアを開けてもらい降りる。
60代半ばの優しいおじいさん。
おじいさんと言ったら
失礼なのかもしれないけど
白いヒゲのせいでおじいさんに見える…

私は改札をくぐった。

ここからさらに
電車に乗って学校へ行く。

叔父様は、学校までの送り迎えを
宮城さんに命じていた。
でも、それは困る。
両親を失って、いきなりリムジンで
学校へ通ったら
どう思われるだろう。
絶対冷ややかな目で見られる。

私はこっそり宮城さんにお願いして
学校のある駅の2駅前で
降ろしてもらうように頼んだのだ。


宮城さんは最初
旦那様に叱られます!と断ったが
しばらく考え私の気持ちを
察してくれ
私のお願いを聞いてくれた。