マイコちゃんから個別の練習に誘われた僕


部活の無い日なんかでも集中的に2人で練習をしてきた



「ふー…本気で演技やると汗をかくよね?」


その日も練習を終え、一息つく僕ら


「でしょ?だから…はい♪」


マイコちゃんが水を絞ったハンドタオルを僕に手渡す


冷たいおしぼりみたいな状態になってる



「ありがとう♪マイコちゃんって気がきくね♪」


「まーこれでも女の子だしね〜♪」


嬉しそうなマイコちゃん


笑顔が眩しい…


なんというか、お互いが主人公というのもあるし、こうやって2人で練習を重ねているからなのか


マイコちゃんとの仲は以前よりグッと良くなった


それに、何故だかマイコちゃんは時折、手作りのお菓子を作って来てくれる


クッキー、マフィン、プリン…


どれだけ食べたか分からない位だ




「ねぇ、レンジ君?」


帰り道、マイコちゃんとは途中まで一緒だ


「ん?どうしたの?」


「私達がやってるお芝居さ…凄く素敵なストーリーだよね?」


「うん…まぁ…そうだね」


マイコちゃんは空を見上げる


「私も、あんな恋愛したい…」


ため息をつく様にマイコちゃんは呟く


そして


「好きな男の子とね…!」


空を見上げていたはずのマイコちゃんは僕を見つめながら呟く


ドキッとしてしまう僕


なんだろう…?


まるで僕と恋愛をしたい


そんな風に語りかけてきた様に思えた


「じゃね♪また明日ね!」.


ちょうどマイコちゃんと別れる曲がり道


マイコちゃんは小さく手を振り僕に別れを告げる


そして、小走りで帰っていくマイコちゃん



…なんだろうか…



この気持ちは…


凄く不思議な気持ち…


僕は……


仮にマイコちゃんから告白を受けたらどうなるのだろうか?


僕はナナちゃんが好き


だから断るのは当然だ


でも……



僕は……