「連れて来ましたよ〜!」


僕らはは部屋に入る


「おー!来たわね〜!いらっしゃーい!」


部屋には部長と喜多見先輩


「でも部長…エアコンがあるからってコンピュータ室解放して良いんですか?」


パソコンの授業をするコンピュータ室…部長はそこを解放したんだ…エアコンがあるからって


「いーのよ!許可とってあるし!暑い中飲み食いしたくないでしょ?ほら!ナナ!座って座って」


「あ…はい…」


喜多見先輩がナナちゃんに近寄る


「あらあら…マナミが言う通り本当に可愛らしいわ…人形みたいね♪」


僕は辺りを見回す


「あ、ノブとマイコちゃんは?」


「あー彼らには飲み物買いに行ってもらったのよ…炭酸が無かったし…もー来るんじゃないかしら?」


「炭酸好きですね」


—ガラガラ—


その時、ドアが開く


マイコちゃんが買い物袋を手に持って入って来た


後ろにはノブ


「買って来まし…アヒャ!」


!!!??


いきなり変な声をあげるマイコちゃん


買い物袋を落としてしまい、ペットボトルが転がる


「ちょっとマイコ…どうしたの?敏感過ぎ♪」


「あ…い…いや!しゃっくりですよ…あははは♪」


随分と変わったしゃっくりだな…
「ま、良いわ!皆揃ったし始めるわよ!」


皆、円になる様にテーブルにつく


「そーね…まずは先に自己紹介ね…じゃ、ノブアキ君から時計回りね」


いきなり指名を受けるノブ



「あ、はい…俺は武田ノブアキって言うんだ…レンジとは仲良いんだ!よろしく!」


「…あなたが…レンジの部屋にいやらしい本溜め込んでる人ね」


「え?」


「ちょ!ナナちゃん!」


なんで今言うんだ…


「ノブアキ君、そーいう本は自分で管理なさい?」


喜多見先輩が飲み物のフタを開けながら冷静にノブアキに諭す


「レンジ…!」


恨めしそうに僕を見るノブアキ


「次は私ね…3年の喜多見ランよ…よろしくね♪」


ニッコリとナナちゃんに微笑みかける喜多見先輩


「ちなみに、副部長だから…皆、忘れてるけど」


「副部長だっけ?アンタ」


部長が失礼な事を言う


「そーよ…破天荒な部長を陰ながら支えてるのよ」



やれやれといった感じだ


「あひゃー!そーだったわね〜!んじゃマイコね…ほら自己紹介よ?」


部長がマイコちゃんに声をかける


「あ…はい……私は…えと…北条マイコ…よろしく…」


…?何か元気無いな…マイコちゃん


「で!私が部長で、生徒会長の前田マナミよ…バストはDよ!」


うん、バストは余計だと思う


「生徒会長の権威を振り回し、好き放題やりまくる、が抜けてるわよ?」


喜多見先輩がつぶやく


「ん、それもあるわね♪」


認めてるのか…


「レンジ君はまぁ良いとして…ナナ、あなたも自己紹介お願いね?さぁ皆!新しいメンバーよ!」


「あ…はい…私は桜川ナナです…よろしくお願いします…レンジ…君とは幼馴染です」


自己紹介の緊張なのか、僕に君をつけてるな


「幼馴染…」


マイコちゃんがつぶやく


「ま、良いわ!とりあえず何か飲みましょう!」


そして、懇談の時間になる


「へぇ〜レンジに幼馴染いたんだ〜知らなかったな」


「ん、まぁ僕が言わなかったからね」


「幼馴染ねぇ…フフフ♪」


喜多見先輩が何故か笑う


「幼馴染…か…ずっと昔から…なの?」


マイコちゃんが僕に質問してくる


「うん、そうだよ…しばらくは会ってなかったけど」


「会ってなかった?」


「あ…うん!ナナちゃんは遠い所に行ってたんだ!うん!」


「遠い…所…」


なんだろ…マイコちゃん、虚ろな目をしてる


「あ、マイコちゃんジュース無いね」


僕はマイコちゃんのコップにジュースを注ぐ


「ありがとう…」

マイコちゃんが微笑む


「……レンジ、私にもちょーだい」


ナナちゃんがコップを出してくる


「はいはい…」


「フフフ♪」


「クックック♪」


部長と喜多見先輩が顔を合わせて笑い合う


「…どうしたんですか?先輩達」


ノブが不思議そうに聞いてる


「んー…ノブアキ君にはあんまり関係無いかしら」


チョコをつまみながら喜多見先輩がサラッと言う


「なんすかそれ…」


その後、皆で楽しくお茶をしながらお喋りを楽しんだ


ただ、マイコちゃんの様子が気になったのは僕だけだろうか…


そして、歓迎会が終わる


帰り際部長が皆に


「あ、明後日部活だからね!特に!そこの遅刻魔は絶対に遅刻すんなよ!」


ノブアキが指差されて指摘される


「えへへ♪」


ニヤけるノブ


相変わらずだな…



帰り道


「どうだった?」


「ん…皆良い人ね…アンタの悪友はちょっとキモいけど」


ノブは…別に顔とか変じゃないのに…


変なオーラでもあるのかな


「でも…マイコちゃんだっけ?…なんか…皆に比べたらよそよそしかったわ」


確かに…なんか元気無かったよな…


「んー体調悪かったのかも…普段はもっと元気なんだけど」


「そーかもね…女の子だし…ね…」


「女の子?…だから…え?何で?」


「うっさい!その辺りを聞くんぢゃないわよ!おバカ!デリカシー無いわね!」


……?


なんで怒るんだろ…?


とにかく…部活の皆とも知り合えたわけだし


上手く行くと良いな…ナナちゃん…