彼女の秘密



「君は誰かな?」

「は?人に名前聞くときはまず自分からでしょ?」

「それもそうだね。俺の名前は月影一夜(つきかげいちや)」

紳士そうな男。

率直に言うと、

造った笑顔が気持ち悪い。

あまりにも胡散臭そうに見ていたからか、もっと嘘笑顔で微笑まれてしまった。

「なにかな?」

「別に」

思わず笑いだしたい気持ちを抑えてそっぽを向く。

「二宮恋(にのみやれん)」

さっきまで私に迫ってきてた男。

……あなたのおかげで確実に男が数倍嫌いになったわよ。

「三井宏(みついこう)だ!よろしくな!」

明るい系の男。

笑顔が眩しい。

……だめだ、近寄れない。

「四ッ葉総人(よつばそうじ)。女、近づくなよ」

……女嫌いか。

「心配せずとも最初から近づく気なんて毛頭ございません」

私が睨むと、相手も負けじと睨み返してくる。

「……五十嵐虎白(いがらしこはく)だ」

仏頂面で無口の割にはめっちゃ綺麗な名前!

……ん?

一夜、二宮、三井、四ッ葉、五十嵐。

……ぶっ。

数字順だ。

……やべぇ、おもしろ。

「虎白ってさ、反対に読めば『白虎』だよね」

「……………ああ」

ふぅ~ん、白虎、ねぇ。