「なぁ」
「…」
「なぁって」
「…」
「なぁってば!おい聞こえてんだろ㮈月!」
ガタガタッと大きな音を立てて、彼は椅子から立ち上がった。
「うるさいヒロくん」
「㮈月が無視するからだろ!」
「ヒロくんがあたしに無視されるようなことしたんじゃん」
「俺が何したって言うんだよ!」
放課後の教室の隅で、騒ぐヒロくんとあたしに向けられるクラスメイトの視線。
まるで、また始まったとでも言うかのような、呆れたようなそんな目。
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