沖本君を見ていると、心が落ち着いた。




私が話しかけても無視して、


私がいじめられていても助けてくれない沖本君を、


私はまだ、好きでいる。




自分でも、訳がわからなかった。




でも、私は静かに胸をドキドキさせながら、沖本君の


練習している姿を見ているだけで、胸がいっぱいだった。




しかし、




「平井~?どこいったぁ~~?」




私を呼ぶ、今日私をいじめてきた、あの女子達の声が聞こえてきた。




「!」




私はロッカーに身を隠し、そして息を殺した。




鍵は閉まっているから、あの女子達は入れないはずだ。