「どうしたの、雅ちゃん…?」




心配そうに、円が見つめる。




「う、ううん!なんでもないよ」




私は、笑って誤魔化す。とにかく誤魔化す。




「そっかぁ…。


あ、それはそうとね、クラスに沖本君と片岡さんが居るじゃない」


「っ…」




沖本、片岡…。


それは、沖本君と愛里を指している。




私は思い出しただけで、少し目眩がした。




「気持ち悪い」

「最低」




あの、沖本君の言葉が、私の中でぐるぐると回りだす。




「ほ、本当に大丈夫?雅ちゃん…」


「だ、大丈夫…。続けて?」


「うん…。


あの二人ね、付き合って結構するじゃない?」


「そうだね、一ヶ月は過ぎたよね……」


「それでね、あの二人……。


まだキスもしていないらしいよ」