最初で最後の口づけ

叶えたいの、本当はこの恋を叶えたいだけなの。




「ねぇ、知ってる?


愛里と沖本、付き合ってるらしいよー!」


「え、マジでぇ!?」




全ては、あの噂から始まった。


それから、私がたくさん壊した。自滅した。




私が悪いのはわかってる。自覚してる。


それなのに、私はまた、愛里を殺したい欲望に駆られる。




あのとき、沖本君が来なければ、


愛里は確実に死んでいた。




愛里の喘ぐ声、


愛里の口から漏れる唾液、


愛里の虚ろな眼、




今でもはっきり憶えている。




殺したい。




今すぐに。




殺したい…。