最初で最後の口づけ

しかし、そんな優しい表情をした沖本君がバッと振り返って


こちらを見た瞬間、明らかに表情が変わった。


眉をキッと上げて、目からは怒りが伝わってくる。




沖本君……?どうしたの…?




私は、思わず震えてしまった。


沖本君が、怖い…。


そう感じてしまったからだ。




「お前、何愛里を殺そうとしてんだよ!!!」




その怒鳴り声は、今日の休み時間に聞いたあのときの


沖本君の怒鳴り声とは比べ物にならないくらい、


大きくて、怒りのこもった声だった。




「お、沖本く……」


「愛里は関係ないって、言っただろう!?」




体の隅から隅まで、ビビビっと沖本君の怒鳴り声が響く。


その間、愛里は呼吸を整えていた。




「殺人未遂とか、本当最低だな!!!」


「沖本君………そんな………!酷いよぉおおぉ………」