最初で最後の口づけ

愛里は覚悟を決めたのか、それとも体力の限界なのか、


暴れなくなってしまった。


どちらにせよ、私にとっては好都合だった。




このまま、地獄に行ってしまえ!!




「私の沖本君を、返せぇぇえええぇぇえええ!!!!」




私は、それまで愛里の首を絞めていた手に、


今まで以上の力を入れる。




愛里の首には、私の爪が食い込んでいた。




今日、沖本君が走ってしまった後に、私が自分の拳を


握って、爪が食い込んで、


そのときに出来た傷とよく似た傷が出来上がった。




「あぁあぁぁあ……!!」




愛里は、更に苦しみ、悶える。




「くぅあぁああ…………っ!!」




しかし、私は手を力を緩めたりしない。