最初で最後の口づけ

私は、愛里の首を掴んだ。




ぎゅっと、ぎゅっと………………。




爪を立てて、歯を食いしばって、


愛里の体の上に乗るような体勢になった。




愛里の口からは唾液が漏れている。




「死ね、死ね!!!死んでしまえ!!!!」


「が、はっ………み、…………や……ぃ………………!」




愛里は、私の手を離そうと私の腕を掴み、


そして足をじたばたとさせている。





「お前のせいで、お前のせいで、沖本君が!沖本くんがぁあああ!!!」


「や………め………」




やめてと言いたいようだけれど、残念ながら愛里はその言葉を


口にすることが困難のようだ。




「あぅ………」




愛里の目が段々と虚ろになってゆく。


おそらく、このままいけば愛里は死ぬだろう。




そう、このまま順調に進めば……。