最初で最後の口づけ

と、まじまじと沖本君の家を眺めていると、




「あれ?平井?」




と、沖本君に見つかってしまった。




どどど、どうしよう…!?


今すぐ逃げるべきかな、でもここで逃げるのは流石に怪しいし…。




「き、奇遇だね!」




私は、咄嗟に沖本君に嘘を吐いた。




「平井の家、ここらへんなのか?」


「う、うん…まあ……」


「そーなんだ、気ィ付けて帰れよ」


「う、うん!」


「じゃあな」




そういうと、沖本君は家の中に入っていった。




沖本君、私の帰りを心配してくれた……!!


それは、本当に、嬉しくて嬉しくて、たまらないことだった。


私なんかの心配してくれるなんて………、やっぱり沖本君、格好いい!




沖本君には愛里という恋人がいるにも関わらず、


私は沖本君にますます惹かれていった。