-放課後-




以前ならば、愛里と恋話をしていた教室に、私は愛里を呼んだ。




「雅、話って………?」




愛里ご自慢の髪がまた揺れる。




「ねえ、愛里は本当に沖本君が好き?」


「え……、好きだけど…」




愛里は、戸惑ったような表情と、上擦った声で行った。




「本当?」


「えっ…?」


「親友だった私から、奪いたくなっちゃう程、好き……?」




愛里の顔が、見る見るうちに青ざめてゆく。




「奪うとか、そんな………」


「奪ったんだよ、あんたは!!!」


「だって、雅が沖本君のことを好きなんて、全然知らなかったし……!」


「私は沖本君のことがずっと好きだったの!愛していたの!!


奪ったも、同然よ!!!」


「それはおかしいわ!!」




愛里が、さっきまでのおどおどした感じとは、打って変わって


顔をキッとさせている。