誰だろう……こんな時間に下校なんて……。


部活終わったとか?


それとも……愛里………?




私の予想は半分当たっていた。




やってきたのは、愛里と沖本君だったのだ。




二人は、手を繋いで、初々しいカップルという感じで、


仲睦まじそうに歩いている。




「愛里…」




沖本君が、愛里に顔を近づける。


もしかして……キスをするの………?




「沖本君…駄目だよ……だって、私達は……」




愛里は、キスをしようとする沖本君に、顔を真っ赤に染めながら拒んだ。




それ以上、もう見ていられなかった。


私は、裏口から学校を出て行った。




心は、どんどんと黒く濁ってゆく。


胸が、ざわつく………。