「沖本君…」




横たわる沖本君を、抱きしめる。


ぐちゃ、ねちゃ、っと沖本君の体から下品な音が漏れる。




嗚呼、でもそんな下品な音を出す沖本君の体も好きよ。


その、何よりも赤い血も、大好きよ。




「こうすれば、一生沖本君の匂いが私から消えることは、


ないねぇ…」




にやっと微笑みながら、ぎゅっと抱きしめる。


赤かった私の制服は、より赤く染まってゆく。




もう、どうでもいいや。




愛里とか、円とか、お母さんとか、どうでもいい。




今、こうやって抱きしめている時間が、愛おしい。