ドスッと、鈍い音。




私は、沖本君を携帯と一緒に隠してた折りたたみナイフで、


刺した。




「が、ぁ……!」




沖本君のお腹から、たくさんのドス黒いような、


暗い赤のような色のような血が流れる。




沖本君が、私の首から手を離した。




「ハア…ハア………ッ」




私は、まるで数十年ぶりに息をしたような気分になった。




「ハア…ハア………はははははははははは…」




呼吸から、明らかな高笑いになる。


そして、ナイフを握りなおし、私は、また沖本君の体を刺した。




「ぐあぁあっっあぁあ!!!」


「あははっははははははっはっははっはっははは!!」


「ぐあああああああああああああああ!!!」


「気持ち良い、良いぃぃいい!


こんな心が痛いこと、あるぅう!?こんな気持ち良いこと、あるぅう!?


好きな人を、この手で殺すなんてぇぇえ!!」