最初で最後の口づけ

「うわあああ……嘘だあああああ……ひっ、ひっ…」




あーあ、泣いちゃった。沖本君。


そんなに、愛里が大好きだったのねぇ。




「嘘だ、嘘だ、嘘だああああ!!」


「嘘じゃないってばぁ。本当よぉぉ」




更に、追い討ちをかける。




「最近、愛里が髪の毛を切った理由、わかる?」


「え…」


「貴方と別れる決心の表われよぉぉ」


「あ……ああ…そんな………」


「言ってたよぉ、愛里。


これで沖本君とは終わりにするんだってね」




私の嘘で、沖本君を涙でいっぱいにする。


なんて、快感なの!!




沖本君が涙でいっぱいになっているのは、私のせい!!


私の嘘のせい!!!


なんて、素晴らしいの!!!


まるで、私が沖本君をコントロールしているみたい!!!!




素敵、素敵!!!