沖本君ですら、私の嘘に騙される。


まあ、本当に愛里は沖本君の事を嫌いだったかもしれないけれどぉ。




沖本君は、その場で足をガクンとさせて、倒れこんだ。




「沖本君、残念だねぇ。


かなりの一方通行だったみたぁい」


「嘘…だろ…」




沖本君は汗をたくさんかいていて、体を震わせている。




「嘘なんかじゃないよぉ!


本当なんだよぉお?


それにほら…」




私は、また携帯から流れる愛里の声を、


沖本君に聞かせる。




『沖本君とは、もう関わらない』


「!」


「ねぇ、わかったでしょぉお?」




これも嘘。




本当は、愛里は、『こ、これで、沖本君とは、もう関わらないでくれる?』


と言っていたのだが、それを編集した。