目の前に、愛しの沖本君が居る。


嗚呼、ちゃんと沖本君と目を合わせるのは、何ヶ月ぶりだろう。


沖本君沖本君…。




「なんで、平井が…」


「そんな事はどうでもいいじゃなぁぁい」


「どうでもって…」


「それより、聞いて。これ」




私は、ポケットに入れていた携帯を取り出す。


そして、そこから流れてきた音を、沖本君に聞かせる。




『キスしようとしてくる沖本君は、


正直言って、怖い…。


強引だし……だから、無意識に拒んじゃうの…』


「これは…!?」




沖本君は、より一層、驚いた表情となる。




「これは、愛里が昨日、私に話した事だよぉ。


愛里、本当は沖本君が嫌いだったみたぁぁい」


「そんな…」