「そういえば、貴方、沖本君が好きだったわよね」


「!」




ピクッと円が反応する。




「自分の恋を応援してくれって言ってたわよね」


「…」


「愛里と沖本君が、キスもまだなんだよ~って


私に言ってきたとき、ちょっと顔が嬉しそうだったわよね」


「!!」




図星のようだ。




「口角が、割と上がっていたわよぉ?」


「う……」




そろそろ、頃合いかな……。


そう思った私は、円の顔に自分の顔をぐっと近づける。




驚いた円は、少し後ずさりをしたが、後ろは壁だ。


逃げられない。