円が前に言っていた通り、沖本君と愛里はキスもまだだった。


この調子だったら………。




ちょっとワクワクしているときに、円が現れた。


げ。




一学期の後半くらいまでは友達だった円は、


今の私にとっては、大嫌いな人間の中に含まれていた。




だって、私がちょっと暴走しただけで、あんなに虐めるなんて。


最低よね。




だから、ちょっといじわるしちゃおっかなぁ~~?




「ねえ、"安藤さん"」




今更、円とも呼びたくないので、私は名字で呼んだ。


円は体をビクッとさせた。




「な、何…」




顔が強張っている。




あの時、円は私を突き落とした。


しかし、私が勝手に自殺未遂をしたと嘘を吐いた。


その事で、ちょっとでも罪悪感があるのだろうか?




まあ、罪悪感があろうが、なかろうが、どうでもいい。