「その代わり」




私は、愛里の前に人差し指を出して、言った。




「沖本君とは、どこまでいってるか、教えてくれる?


そうしたら、諦めがつくから」




それも嘘だ。


諦められるわけがない。




「わかった…」




愛里は、まんまと騙された。




「あのね、実は…キスもまだなの…。


怖いから…」


「怖い……?」




沖本君と付き合っているって事は、


沖本君を愛してるって事じゃないの?


…何が、怖いの………?