最初で最後の口づけ

-休み時間-




「だっさぁ、アンタ、親と学校に来てたんですってぇ?」


「幼稚園児かよ!」


「ていうか、何で今まで学校に来なかったわけぇ?」


「逃げたんでしょ、負け犬」




とでも言われると怖れていたけれど、


特に何も言われなかった、直接は。




あの時、私を虐めていたメンバー達は、あの日の


私が突き落とされた事が、何か私を虐めたくなくなくような


理由になってしまったのだろうか。




上靴もちゃんとあったし、


机の落書きもなかった。




だけど、




「雅…あの…」




と、話しかけてくる声。


愛里だ。