愛里に、そう訴えた。


私の顔は、苛立ちと緊張で、汗だらけ。




「雅……!」




愛里は何か言いたそうにしていたが、




「帰って!!帰ってよおぉお!!!」




と、愛里を無理矢理帰らせようとした。




もう、愛里の声を聞きたくない。


愛里の顔を見たくない。


愛里の髪が揺れているのも、嫌……見たく、ない……!




しかし、愛里は帰ろうとしない。




「雅、駄目なの!沖本君に関わっちゃ、駄目!」


「うるさい、うるさい!!」


「雅!!」


「うるさああああああああああぁぁぁぁあああぁああぁぁいいぃい!!!」




私は、愛里を思いっきり突き飛ばした。




「あうっ…!」