-翌朝-




お母さんはパートに行ったので、家に一人きりとなった。




お母さんはガミガミいつもうるさいので、やけに静か。




あー、今日はゆっくり沖本君の事でも考えるかなぁ。


沖本君に、もうまともに会えないだろうけど…。


それでも、沖本君に会いたい。


沖本君で、心を満たしたい。




と、思ったときだった。




ピンポーンとインターホンが鳴った。




誰だろう…?


こんな時間に。




玄関の扉を開けると、目の前には愛里がいた。




愛里……!


どうして、ここに……!?




愛里は、自慢のあのふわふわの髪の毛を、また長くしていた。


もう、背中の真ん中まできている。




そして、その髪の毛をふわっとさせた。


私は、少し苛立った。




「お願いがあるの」




愛里は言った。