最初で最後の口づけ

「沖本君の匂い、たまらないよぉぉぉ…」




もっともっと、嗅がせて。


もっともっと、染み込ませて。


もっともっと、私を沖本君でいっぱいにして。




「な、何やってるんだ…」


「!」




沖本君が、帰ってきてしまった……。




どうしよう、どうしよう、どうしよう……。




「最近、よく俺の部屋に長い髪の毛が落ちているのは…。


お前のせいだったのか…」


「沖本君、これは、誤解だよぉぉ!」


「何が誤解だっていうんだよ!!」




沖本君は思いっきり壁を殴る。




「気持ち悪いんだよ!!」


「だってぇ…」