1年以上も沖本君を想っていた私の恋が、


桜色に染まっていた心が、




真っ黒な煤のような色へと変色していったようだった。




「よ、よく知ってるね。雅。


誰から聞いたの……?」




愛里が自慢の髪を指で弄くりながら、私に聞いた。


愛里の顔は、なんだかいつもより赤い。




「ああ、皆が言っていたから……」


「そ、そうなんだ……」




ぎこちない空気が続いてゆく。




私の心は、黒く染まってゆく。




「あ、じゃあ私、先に教室に行ってるね」




私は、そう言ってその場から逃げた。