最初で最後の口づけ

私は、無意識に沖本君の家まで来てしまった。




どうやら、沖本君はもう学校に向かったようで、


中からは誰の気配も、テレビの音も、何の物音もしない。




ゴクリ、と私は生唾を飲む。




思わず、玄関の扉を開けようとしたが、鍵がかかっている。


しかし、よく見てみると、一階の窓が網戸である。


恐る恐る、私はその網戸を開けた。




開いている……!!




私は、沖本君の家に入った。




ここが、沖本君の家……。


良い匂い…。


沖本君の、匂いがする……。




沖本君の部屋は、どこかな?


普通だったら、二階とかだよね…。




家の中をぐるぐるしていると、階段があった。


私は、その階段を上った。