最初で最後の口づけ

-数日後-




あの空き教室から落ちてしまった私は、


どうやらグラウンドの端っこで練習していた、


うちの学校の弱小な陸上部が用意していた、走り高跳び用のマット


の上に落ちたらしく、特に頭を強く打ってしまった以外、


何の異常もなかった。




様子見で、数日入院しただけで済んだ。




そして、私はもう家に帰って、明日、学校に行かなければならない。


何て、憂鬱なんだろう。


どうせなら、ずっと入院していたかった。




沖本君が好きだって、バレてしまった。


私の秘密は、きっと知れ渡った。


学校に、行きたくない……!


もしかしたら、皆から冷たい目で、蔑まれるかも…。


沖本君だって、私が自殺未遂したと勘違いして、


もっと私を嫌うかも…。




嫌だ……!