そうだ、愛里に聞いてみよう。


きっと、これは単なる噂だ、ほら話だ。


愛里に聞いたらきっと、「えっ、そんなことないよ~!」って


笑ってくれるはずだ。


嘘だって、言ってくれるはずだ。




「ねえ、愛里」


「ん?何~?」




愛里はいつものように、首を傾げて、


自慢のくるくるの茶色の髪の毛を


ふわっとさせている。




「愛里って、沖本君と付き合っているの……?」




自分でも、声が震えていて、ちょっと上擦っているような気がした。




嘘よね、愛里?


嘘なんでしょ?


あれは、ただの噂でしょう?ほら話でしょう?




きっと、誰かの作り話なんでしょう………?




だけど、愛里から返ってきた答えは…………。




「う、うん。そうだよ」