あの日あの時...あの場所で







「ねぇねぇ、狼王の彼女には会えたの?」

キングにベッタリと寄り添って上目使いの美夜。


「...チッ」

舌打ちで返したキングに、フフフと小さく笑った。


ざまぁみろ。


「会えなかったの?私はスッゴく綺麗な子に会ったよぉ」

あぁ、この女はめげないんだった。


お前の会った女の子なんてどうでもいいし。



「.....」

少し気を引いたのかキングが無言で美夜を見下ろした。


「クォーターなんだけど、小さくて金髪で青い目で、すっごく透明感のある女の子。オモワズ声かけちゃった」

この女が他の女の子を誉めるなんて、明日雨が降りそうだな?


いつも、何処かしら貶してる癖にね。


透明感のある女の子ってのは、ちょっと見てみたいかも。


俺達の回りにはそう言う子は居ないしね。




「透明感...」

キングの低い声。


「見たかった?」

少し妬いたように項垂れかかった美夜。

あぁ、ウザい。

ほんと、ヤダ。



「で、圭吾。どんな作戦だ?」

キングは美夜の言葉を聞き流して俺を振り返る。

美夜が唇を尖らせてるのを見て、ざまぁ見ろ?と腹の中でほくそ笑む。


「そうだね。駅方面の入り口の方へ行ってみる?」

そうすれば遭遇出来る気がする。


駅前の銅像前に居たってツイートされてたしね?

帰りもそこへ向かう気がする。



「良いだろう」

足をそちら方面へと向けるキング。


「えっ?どうしたの?どこに行くのよ」

あぁほんとに美夜って...面倒臭い。


「もちろん、狼王のお姫様を拝見するんだよ」

当たり前でしょ?って顔で美夜を見る。


「えぇ、もういいじゃん。帰ろうよ」


「はぁ...気に入らなければ一人で帰ってもらって良いですよ?」

やんわりと言ってやる。

勝手についてきたくせに、ウダウダ言うなよな。


「べ、別にそんなこと言ってない。私も見たいし、お姫様」

俺がバツが悪そうに視線を逸らした美夜。


だったら、初めから何も言わなきゃいいのに。