あの日あの時...あの場所で








「悪いんやけど。今日は遊んでる暇ないんよね?やから、帰って貰われへんやろか?」

ニヘラと笑って俺達を見る甲斐、その視線はやっぱり水着売り場の方をチラリとみやる。


あぁ、こいつもお姫様を大事にしてるんだろうね?


本当、興味深いなぁ。



「うちも別に南と遊ぼうと思って来たんじゃないし」

ここは粘って警戒されるよりも、さりげなく会う方向を目指そう。


南の大切なお姫様は、間違いなくここに居るんだしね。


焦って隠されちゃ元もこもない。


だってさ、もう会わずに帰るとか無いし。


一端引いて、偶然を装うのが良いよな。

頭の中で次の作戦を考える。




「だったら、帰れ」

狼王、怖いなぁ。


「そう、怒りを露にすんなよ。ちょっとぐらい笑えねぇのか?」

キングも笑みが黒いし。


「お前に笑顔を向ける趣味はねぇ」

フンッと鼻で馬鹿にしたよう口角を上げた狼王。


一応言うけど、それも笑顔の一つだからね?



「女嫌いの狼王が猫可愛がりする女を見に来ただけだ。そんな警戒すんな」

あっちゃ~それ言ったら余計に警戒するだろ、キング!

...俺は然り気無く会える様に考えてるのに!

うちのキングは何してくれちゃってるの。



「...チッ」

ほら、さらに狼王の瞳の警戒色が強くなった。



「別に、その子をどうにかしようとか思ってないからね?」

そこは言っておこう。


ただの興味本意で見に来ただけだし。


「当たり前やん。思ってたら全面戦争になるしな?西はそこまで馬鹿ちゃうやろ?」

甲斐はおどけて笑ってるけど、殺気だしすぎでしょ?


「怖いこと言うなよ?こんな場所で揉めるつもりもないし。」

と言えば、


「そこは気が合うやん。やからもう帰ってや」

甲斐はそう言うとチラッと狼王の顔を見る。


これ以上、狼王の機嫌が悪くなるのは望ましくないらしい。


子供がビビって漏らしてしまうぐらいの殺気を放出中の狼王。


ちょっと、落ち着いて欲しいなぁ。


だって、うちのキングも狼王の殺気に触発されて殺気立って来たし。


ここで一悶着とかやりたくない。


それに、さっきからこっちを見てるギャラリー多すぎだろ?


絶対、ツイートされてるな。

うん、間違いない。


スマホを弄ってるギャラリーを見て溜め息をつく。