あの日あの時...あの場所で







さてさて、俺の話はこれぐらいにして、目的の人を探そうかな?



スマホをタップすれば、ドンドンツイートされてる。


本当、現代社会は怖いよね?

プライベート何もあったもんじゃないよね?


特設売り場近くの長椅子に待機する狼王発見!


「一先ず、狼王に挨拶に行く?大事なお姫様は今一緒じゃないけど」

急に現れてお姫様を驚かしたりするのは趣味じゃないし。

俺は基本女の子にはフェミニストだからね。



「ああ」

キングは片方だけ口角を上げた。


歩いてると見えてきた特設の水着売り場、その奥にお目当ての狼王の、姿を発見。


彼は大きいから目立つよね。


乾と甲斐の姿も見えてる。


南のトップスリーが揃ってお姫様の買い物ね?




「いやぁ~ん、新しいデザインが一杯ある」

キングに抱き着いたまま展示されてる水着に目を輝かせる美夜。


ほんと、ウザいよね?君。



「水着でも見てきたら?俺達は狼王と話してくるから」

邪魔なんだよね?


「あ、うん、そうするぅ」

行ってくるね?なんてキングに上目使いに言う美夜。


あぁ、気持ち悪い。


「...好きにしろ」

キングは美夜の、行動なんかに興味は無さそうだ。


バイバイなんて良いながら水着売り場に消えていく美夜の背中を見てホッとする。


あの女、やっぱり嫌いだ。



キングが美夜なんて気にもかけないまま、狼王に向かって真っ直ぐに歩いていく。



俺達の存在に一早く気付いたのは、以外にも女ったらしの甲斐、俺達を見て素早く立ち上がると狼王を庇う様に前に出た。


「...うちの王様に用でもあんのかな?」

うわぁ、ムカつく関西弁。


「見掛けたから、挨拶でもしようかと思ったんだけど?」

俺はキングを庇う様に一歩前に出て立ち止まると、そう返す。


立ち上がった狼王と乾もこちらを、鋭い瞳で睨み付けた。


うちのキングはパンツのポケットに両手を突っ込んだまま、気だるそうに狼王だけを見据えてる。


一発触発...まさにそんな空気。

だけど、俺はこの張り詰めた空気が結構好きだ。


狼王が隣に居る乾に耳打ちすると、乾は小さく頷いて水着売り場へと向かっていった。


大方、お姫様の確保ってとこだろうね?


フフフ..分かりやす。


俺達には会わせるつもりはないって事だね。