あの日あの時...あの場所で

 






圭吾と美夜と共に、スーパーの正面玄関をくぐり抜ける。


スーパーなんて呼ぶよりも、ショッピングセンターだと言った方が似合う気がする。



西と南を跨いで建設された大型複合スーパーは、暗黙の了解で中立の場所だと認識されている為に、うちの連中や南の連中が混在する。


土曜日のそこは、かなり多くの人で賑わっていた。


俺達を見つけてキャーキャー騒ぐ女達も出てくる。



「煩いわね?今は私のモノよ」

こちらを見る女達を牽制する様に、俺の腕に両手を巻き付けてしなだれかかる。


女達が嫉妬の炎を燃やすのを見て、にんまりと口角を上げるこの女は、性格が悪いと思う。


ま、今は余計な女が近寄って来るのは面倒臭せぇから、美夜の好きにさせておく。


「さてさて今はどの辺に居るのかな?」

そう言いながら楽しそうにスマホの画面をタップする圭吾。


「どんな子なのかな?楽しみね」

美夜の小振りな唇の端が上がる。


「.....」

どんなに良い女でも俺の心を動かすことなんてねぇ。


第一、狼王の持ち物なんかに手を出す気はさらさらねぇし。


四校統一を目的にしてるからって、女を弱味として使うことなんてする気もねぇしな?


ただの興味本意でここに居るだけだ。


あの女を寄せ付けなかった狼王が、抱き上げて大切そうに連れ歩く女に、少し興味が沸いただけ。



「おうおうツイートされてるされてる。何々、特設されてる水着売り場に移動」

ツイッターを見てるであろう圭吾は、やたらと楽しげで。


最近は便利になった分、プライベートも何もあったもんじゃねぇな?


「ふっ...あの狼王が水着選びにお供かよ」

ニヤケた頬。

喧嘩をしてる時の狼王の狂気染みた殺気を思い出す。


あれからは想像できねぇな?



「私も水着みた~い」

早く行こと俺の腕を引っ張る美夜。


「ご対面と行きましょうかね」

オモチャを与えられた子供の様に興奮してる圭吾。


俺は二人に促されて、特設売り場へと足を向けた。




この時の俺はまったく気づいていなかった。


止まったままの運命が再び動き始める再会が直ぐそこまで迫っている事に.....。



キングside.end


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