あの日あの時...あの場所で






「豪がデレるのは瑠樹ちゃんの前だけやんな?」

席が足らなくて、隣の席に夏樹と座ってた大翔が身を乗り出して参戦してくる。


「死ね」

そう吐き捨てたのはもちろん豪で。



「いやん、俺にもデレて」

と言って、豪の投げたおしぼりを顔面に食らった


「ほんと、バカですね」

夏樹の冷たい視線が顔を押さえて痛がる大翔に向かう。


「甲斐君はマゾヒストなのね?」

梅に変態だと認識されたらしい。


「だからいつも、へんなことばかり言うんですね」

桃子まで納得した。



「もう、皆して酷いわ。瑠樹ちゃんは俺を変態扱いせぇへんよな?」

瞳をうるうるさせて見てきてもさ。


「最初から変態だと認識してるけど?」

もう遅いし。



「そ、そんなぁ~」

テーブルに突っ伏して泣き真似を始めた大翔は、皆に放置されることになる。




チャラララ~


誰かのスマホが鳴る。


がさごそと鞄を漁った桃子がスマホの画面を見て苦笑いした。

「あ...楓だ...もしもし...」

どうやら、電話の開いては楓らしい。


「あの子、きっと今起きたのよ?」

梅の視線が桃子のスマホに向かう。



「..やっぱりね?かなりの寝過ごしね?...うん、言っとく...解った..じゃあね?」

スマホを指でタッチして終わらせた桃子は眉を下げて私を見た。


「瑠樹に謝っておいてだって。楓、今起きたらしいの」


「やっぱりね?そんなことだと思ったわ」

桃子の言葉に梅が溜め息をついた。



「楓はかなりのお寝坊さんなんだね?」

クスクス笑った私に、


「あの子悪い子じゃないんだけどね?寝過ごしのキャンセルがたまにある」

ね?桃子と梅が言う。


「私達は慣れちゃったけどね?次の日にすごく必死に平謝りしてくるんだよ。だから憎めないんだよね」

と桃子が思い出し笑いをする。