あの日あの時...あの場所で







「瑠樹」

「お待たせ」

その声に視線を向ければ、桃子と梅が小走りでこちらに遣ってくる所だった。



「桃子、梅」

と手を振った。



二人はすぐに目の前に到着する。


「こんにちは、森岡さん」

桃子は豪に頭を下げる。

梅はその隣でペコリと会釈する。



「ああ」

チラリと一瞥して素っ気なく返した豪は、興味がないのか明後日の方向へと視線を向けた。

豪は基本、私以外の女の子とは口を利かない。


桃子達は、私の友達と言うことで、ようやく挨拶ぐらいはするようになった。


桃子達も豪はそんな感じだと分かってるのか、深く接してはいかない。




「早やかったのね、瑠樹」

と梅に言われて腕時間を見れば、まだ約束の時間の20分前で。


「私は豪が早く迎えに来てくれたの。でも二人も早いじゃない」

と返した。


「桃子が朝早くからやって来て、早く行こうと煩いから」

と顔を歪めた梅。


桃子と梅は家が御近所らしい。


「だって、楽しみすぎて早く目が覚めたんだもん」

と頬を膨らませる桃子は可愛い。


「一緒、私も早く起きちゃった」

「本当?一緒!」

桃子は嬉しそうに私の手を取って跳び跳ねる。


「昨日、興奮しすぎて眠れないかと思ってし」

と笑ったら、


「ガキかよ?」

と豪に鼻で笑われた。


「煩いし」

豪を睨み付ける。


「私も中々寝付けなかったよぉ」

おお、桃子、一緒じゃない。


「私達、気が合うね?」

と微笑んだら、


「ね?」

と桃子も嬉しそうだった。


「似た者同士ね?」

溜め息交じりに冷めた視線を送ってくる梅は、クールガールだ。



「お待たせしました。」

「やっほ~い」

桃子達が来た方向とは逆から歩いてくる二人。


夏樹と大翔だ。


色気たっぷりの二人の私服。


うん、高校生には見えないな。


もちろん、豪もなんだけどね?


学生服を着てないとさ。




「後は、楓だけね。あの子寝坊してないと良いけど」

そう言って腕時計を見た梅。



「まだ時間早いわよ?」

と聞いたら、

「楓は遅刻常習犯なの」

と桃子が眉を寄せた。


「いつも遅れるからね、あの子。今日は遅れたら置いていくって脅しておいたんだけどね?」

黒い笑みを浮かべた梅。


遅れたら本気で置いていく気だ。