単純な私は上手く誤魔化された。
ちぃ君の言葉の本当の意味なんて知らずに。
咲留もちぃ君も知ってたんだよね?
私だけが茅の外に居たんだ。
「「「頂きます」」」
出来上がった料理をテーブルに運び終えて、皆で食卓を囲む。
「瑠樹の料理は美味しいな?毎日食べれる咲留が羨ましいわ」
そう言って肉団子を頬張った源次。
「これならいつでもお嫁にいけるよな?」
と言った健は、
「物騒な事に言うんじゃねぇよ」
と咲留に怒鳴られる。
「でも、健じゃないけど、大した料理の腕前だな?毎日、瑠樹の作る弁当を食べられる豪は役得だな」
ちぃ君がジャーマンポテトをモグモグ食べた。
「うわ、マジで?豪の奴狡いわ」
一杯食べちゃると、ガバガバ食べ始める源次。
「慌てなくても沢山あるよ」
フフフと笑った。
「それより、明日は気を付けろよ?」
咲留も心配性だな。
「大丈夫だし。豪達も桃子達も居るから」
「はぐれないように気を付けろよ?迷子になったら大変だからな」
だから、子供じゃないってば。
「ほんと、咲留は過保護だな?」
と健が言えば、
「少し黙ってろ」
と何故かちぃ君が凄んだ。
「本当に一人になるな?いいな」
いつもよりも、かなり真剣な目付きの咲留に思わず頷いた。
「分かった。一人になったりしない」
「よし良い子だ。水着を選ぶ以外は豪の側にいろよ」
頭を撫でてくれるけど、どうしてそんなに警戒するのか分からなかった。
ちぃ君といい、咲留といい、なんなのよ?
私だってもう高校三年生なんだからね。
迷子になっても、スマホだってあるしさ。
何も知らない私はそんなことを考えてた。
知らないのはきっと罪。
忘れた振りをしていた私は、もっと罪深い。



