海風が気持ち良くて、鼻歌交じりで歩いてた。
そしたら聞こえてきたバイクの音と数人の男の人の話し声。
倉庫の番号を確認しながら進んでいくと、見えてきたたむろする人達。
うわぉ、カラフリー。
赤、青、緑、黄、ピンク、紫。
うん、色んな髪の色があるんだね。
流石にちょっとビビる。
人は見かけじゃ無いけどさ、ほらヤンキーチックな感じは怖いよね。
私、女の子だしさ。
怖い顔で囲まれでもしたら.....ゾゾゾッと背筋が寒くなった。
何となく勢いで来ちゃったけど、間違いだったかもしれないと思う。
「早まったなぁ」
遠目に彼らを見ながら、溜め息を漏らす。
咲留(サキル)を驚かせようと思ってたけど、電話でもしようかな?
あの中に単身で乗り込んでく勇気はないな...。
わらわらと集まってるヤンキーな人達は少し怖いもの。
あ、咲留とは兄です。
二階堂咲留(ニカイドウサキル)、腹違いの3つ歳上の兄である。
母が亡くなってからの五年だけ一緒に暮らした私の家族。
父の愛人だった母の娘である私を憎んだりせずに、可愛がってくれた唯一の人だ。
過保護すぎる愛情を注いでくれる咲留が私は大好き。
たまに鬱陶しいと思う時もあるけどね?



