あの日あの時...あの場所で








「私達同じクラスなの」

綺麗な女の子が話始めた。


「...うん」

見たこと有るような...無いような。


「お友達になりたくて、声をかけたかったんだけど。森岡君達が一緒に居るから声を掛けられなくて。私は永倉桃子(エイクラモモコ)です。」

地味な子が恥ずかしそうにそう言った。


「えっ?」

友達になりたい?


「そうそう、近付こうにも豪さま達が睨んでくるしさ。あ、あたしは日向楓(ヒナタカエデ)」

派手な子がシニニと笑う。


「彼らが離れた今がチャンスだと思って待ち伏せしたの。私は橋爪梅(ハシヅメウメ)よ」

美人さんはかなり古風な名前だった。


しかも、待ち伏せとかはっきり言い過ぎだし。


豪快な所が面白い。



「三人はどうして私と友達になりたいの?」

不思議に思ったことを聞いてみた。


こんな風に言ってくれた人達は初めてだったから戸惑ってしまう。



「可愛いから側で愛でたい」

身を乗り出して目を輝かせる日向さん。


ちょっと怖い。


「ごめんなさい。彼女は可愛いモノに目がなくて。無視していいから」

呆れ顔で日向さんを後ろから拘束した橋爪さん。


「私、以前、咲留さんに助けられた事が在るんです」

永倉さんが話しかけてきた。


「..そう、咲留が」


「はい。咲留さんは覚えてないと思うけど。その時にとても親切にしてくれて、あの...それで咲留さんの妹さんなら、きっと良い子だと思って仲良くなりたいと思ったの」

そう言ってくれた彼女の言葉に嘘はないと思えた。


「べ、別に豪さま狙いとかじゃないからね
憧れては居るけど、芸能人みたいな感じだし。近付くためとかじゃないからね」

「楓、余計なこと言うと余計に怪しがられらからね。お口にチャックよ」

橋爪さんに、冷ややかな視線を送られて小さくなる日向さん。


「あ、あの楓は気にしないで。本当に下心なんてないの。咲留さんも森岡君も関係なくて...あの、その...だから」

永倉さんの必死さが伝わってくる。

こんな風に私と友達になりたいとおもってくれるなんて、胸が暖かくなった。


「...うん、分かった。瑠樹.ジェンキンスです。私で良かったら仲良くして。これ、ありがとう」

彼女に向かって借りていたハンカチを手渡した。


「こちらこそ、ありがとう」

ハンカチごと手を握って、本当に嬉しそうに微笑んでくれたから、私も自然と笑顔が出た。