「遅かったな?」
豪の言葉に、
「眼鏡屋が混んでまして」
くつりと笑った黒髪。
「豪、俺の時と態度違うやん」
ブーブーと唇を尖らせて抗議する大翔は無視したまま二人は会話を続ける。
「そうか?直って良かったな」
「えぇ、昨日の乱闘でレンズが割れた時は発狂しそうになりましたけどね」
えっ?レンズが割れたぐらいで?
「こいつ、眼鏡フェチなんだよ。だから、眼鏡に執着してんだよ」
私が変な顔してたのに気付いたのか、豪が説明してくれた。
眼鏡フェチね...色んな人がいるもんね。
「挨拶が遅れました。乾夏樹です」
優しく微笑んでくれた。
「瑠樹です、よろしく」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。咲留さんの妹さんですね?」
「うん。ってか、さっきから思ってたんどけど。どうして皆私を知ってるの?」
そう、ずっと思ってた。
急に現れた私を違和感もなく皆受け入れてくれてるんだよ。
「咲留さんから電話来た後に、通達したからな、お前の事と俺が保護する事」
豪の説明に、ああそう言う事ね?と思った。
「そっか」
「豪は瑠樹さんに会うことを楽しみにしていましたよ。ね?」
と夏樹はチラッと豪を見る。
「...チッ、余計な事言うな」
不機嫌になった豪だけど、ちょっと耳が赤い。
「そうそう、スマホに送られてきた写メを一人で見てニヤニヤしてたで」
ニシシと笑った大翔は、
「うっせ」
と煙草の箱を投げつけられた。
「んもう、豪ってば激しい」
煙草の箱を上手くキャッチした大翔はそれをひらひらと左右に振った。
「...夏樹、瑠樹に説明」
大翔が鬱陶しくなったのか無視して、夏樹へと視線を向けた豪。
「分かりました。瑠樹さん、では先ず始めに
豪がこの高校の頭だと言うことは聞きましたか?」
豪と私の前に腰を下ろした夏樹がそう聞いていた。
「あ、うん、さっき聞いた」
うんと頷く。
「そうですか。この王凛高校の頭と言うことはこの街を統べると言う事を意味します。」
「この街なんていらねぇけどな?」
豪が皮肉る。



