あの日あの時...あの場所で








大翔も交じって、昼休みを過ごした。


とは言ってもおもに大翔が一人で喋っていたし、豪は私を抱き抱えたまま眠っていたし。


私はそんな豪にもたれて、少しだけ昼寝した。


お昼を食べた後の昼休みは、眠気に誘われるのだ。




「豪さん、すいません」

申し訳なさそうにやって来たのはオレンジの頭の学。


「...っん?」

ゆっくりと目蓋をもたげた豪。


「今、連絡が入ったんですけど、隣町の奴とうちの連中が小競り合いしてるみたいです。」

申し訳なさそうにそう言った学に、


「場所は?」


「境界線のうちよりの場所です」


境界線?隣町?


「...チッ、またか」

豪から殺気が放たれる。



「最近、多いな?どうせ、今回も向こうからやろ?」

真面目な顔も出来るんだね、大翔。



いまにち、話が良く分からないから黙って事の成り行きを見守ることにした。



「...はい。そうみたいです。西城の連中、勢力を伸ばそうと躍起になってるみたいで」

苦々しげに顔を歪めた学。


「上が女遊びにうつつを抜かしてるから下が好き勝手すんだろ?」

豪の言葉に、


「キングのご乱行は俺よりも酷いみたいやしなぁ」

比べるところそこ?



「増援だして、片付けとけ」


「分かりました」

頷いた学は足早に屋上のドアへと向かっていく、その道すがら数人の男の子達に声をかけて一緒に屋上から出ていった。




「ほんま、めんどいな?こんな暑い日にあいつらなにやってんの」

大翔が後ろ手にコンクリートに手をついて空を見上げた。


あいつらとは、敵の事だろうか?



「気になるか?」

と聞かれれば、

「うん、そりゃね?」

と答える。


「瑠樹ちゃんにも説明しといた方がえぇな?警戒してもらわんとあかんし」

な?と私を見た大翔。


確かに相手を知らないと警戒出来ないしね。



「...ま、仕方ねぇか?怖がらせるつもりはねぇけど話す」

と豪が私を見下ろした時だった。



「それは私がしましょうか?」

と私達の上に影が落ちたのは。



「おぅ、夏樹やん」

大翔が名前を呼んだ彼は黒髪で眼鏡をかけた
制服を緩く着崩したインテリヤンキーだった。