あの日あの時...あの場所で










「じゃ、今度の休みにでも水着買いに行くか?」

豪は優しい。


「うん、行く」


「ふっ...ガキみてぇ」

ニヒルに笑う豪。


「煩いわね。ガキって言う方がガキだし」

「...俺がか?」

覆い被さるように私を見下ろす豪にイラッとする。


ちょっと体がデカいからって馬鹿にすんな。


「...豪、ウザい。体がデカいから良いって訳じゃないんだからね。」


「ほう、そうか?」


「そうよ、喧嘩だって小回りが聞いて、便利よ」

と豪に顔を近付けた。


「...っ..な、近けぇ」

私の肩を押して体を仰け反らせた豪。


自分が近付くのは良くて私が近付くのはダメなの?

変なの?


「...豪って、変だし」


「うっせぇ」

そっぽ向いちゃったし。


豪は難しいお年頃ね。





「やっと見つけた思ったら、イチャラブしてるやん」

軽いノリの声がした。


「...チッ」

豪は不機嫌な舌打ちをして声の張本人を睨み付けた。


そこには、赤い髪の制服を着崩したチャラチャラしてる男の人が居た。


フェロモン出しすぎじゃない?



「うわぉ、ほんまに可愛いやん。豪が抱っこしたくなる気持ちよ~分かるわ」

ほら?おいで、と私に手を伸ばしてくる。

ってか、誰? 


「...触んな。瑠樹が穢れる」

パシッと彼の手を叩き落としたのは豪。


「いったいなぁ。穢れるってなんやの?」

叩かれた手の甲をすりすりとする赤髪。


「そのまんまだ。お前みたいなエロマシーンに触られたら瑠樹が穢れる」

エロマシーンって、どんなあざな?


「来るもの拒まへんってだけやん」

悪びれる様子がない所を見ると、彼のそれは遊びの延長なんだろう。


「死ね」

豪、それは人に向かって言っちゃダメ出し


「酷いわ、俺、泣いてまう」

泣き真似した赤髪が、果てしなくウザかった。



「...死ね」

小さな声が出た。

ごめん、豪の気持ちよ~く分かったわ。



「うわっ、この小さくて可愛い子も毒舌なん?」

ギョッとした顔でこっちを見た赤髪。



「よしよし、瑠樹偉いな」

豪に頭を撫でられて誉められた。



「なんやねん。豪だけ触って狡いわ」

拗ねてるし。


「こっち来とけ、瑠樹」


豪は私の両脇に手を入れて抱き上げると、開いた自分の両足の間に座らせた。


もちろん、赤髪へと牽制だと思う。