あの日あの時...あの場所で






次の時間はチャイムが鳴っても戻らなかった。


4人で楽しく他愛の無い話をして過ごしただけだけど、幾分かは気分が上がった。

梅も楓も桃子も、余計な気を使わせちゃったのは本当に申し訳ないと思う。



「ごめんね?授業サボらせて」

申し訳なさそうに言ったら、

「何言ってんの!サボりたかったんだってば」

も楓にバシッ肩を叩かれた。


「いったぁ...」

値から加減はして欲しいよぉ。


「んもう、バカ。あんたのバカ力で叩いたら瑠樹が怪我するでしょうが」

パシンと楓の頭を叩いたのは梅。


「...ごめん、瑠樹ちゃん」

シュンとした顔の楓に、


「良いよ。今度からは手加減してね」

と笑う。


「楓って、頭より体が先に動くから要注意よね」

「あ、桃子ひどいじゃん」

桃子に詰め寄る楓は、


「本当の事だからね」

と梅の一撃で撃沈される。


「うぅ~二人とも酷いし」

唇を尖らせて拗ねる楓はその場に立ち止まる。


「ハイハイ、次の授業が始まるまでに戻るわよ。さ、瑠樹、楓は放置して戻りましょ」

梅は楓を一瞥すると私の手を取って歩き出す。


ほんと、楓は弄られ易いね?


「あ~ん、待ってよぉ~」

掛けてくる楓に三人で苦笑いした。



「...大丈夫?瑠樹」

隣に並んだ桃子が私の顔を覗き込む。


「...ん、大丈夫」

微笑んでみせる。

桃子が聞いたのは、教室に戻る事だよね?

あの子が居るから。


きっと、豪の側に今も居るんだよね。


私には何も言う資格なんてない。

なのに...こんなに苦しくなるのは何故だろうか?