あの日あの時...あの場所で







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瑠樹へ視線を向けてから、俺は再び正面に向き直った。


こんな日を夢見てきた。


自分勝手に瑠樹を遠ざけた癖に、いつかこうやって瑠樹に真実を伝えたいと心のどこかで願ってたんだ。


何も言わずに瑠樹を手放して、瑠樹の側に居られなくなった反動で女遊びに走った最低な俺。


だけど、どんな女を抱いてもいつも心の中には瑠樹が居て。

瑠樹に面影が似てる女をがむしゃらに抱いた事もあった。


何一つ、満たされなかったけどな?


どんどん汚れて行く自分に歯止めが効かなくて、結局一時の快楽に身を沈めてた。


瑠樹はこんな愚かな俺を許してはくれねぇだろうな?


だけど、こうやって会いに来て、真実を知りたいと言ってくれた事を嬉しく思うんだ。


汚い欲にまみれちまった俺だけど、瑠樹を心の中で思うぐらいは許されるんじゃねぇかと思わせてくれる。


だから...今から話すよ。


俺達が離れなきゃならなくなった出来事を。

弱くてガキだった俺があの頃、自分勝手に下した決断を...。


お前にはバカだって笑われるかも知れねぇけど、隠さずに伝えるよ。





「瑠樹がアメリカに旅立って、一ヶ月も経たない頃だったと思う、あいつから連絡が来たのは...」

俺のその言葉に、瑠樹はハッと目を見開いた。


あいつ...が誰の事だか瑠樹には直ぐに分かったんだよな?


「...柊」

お前がそんな悲しそうな顔をする必要はねぇんだ、瑠樹。


思わず昔みたいに瑠樹の頭に手を伸ばしてそっとその頭を撫でた。


こんな風にいつもお前の頭を撫でてたよな?あの公園で。



驚いた表情で俺を見上げた瑠樹だったけど、俺の手を払いのける事はしなかった。


サラリとした瑠樹の髪の毛の手触りは昔と何一つ変わってねぇ。


胸の奥がズクンと疼いた。


それを振り払うかのように俺は言葉を紡ぎ出す。



「最初はあいつの事なんて取り合わなかった。だけど、家まで来るようになった。何度も話を聞いて欲しいと言ってな?ずっと、放置してたくせによ」

自嘲的な笑みを口元に浮かべた。