あの日あの時...あの場所で







「ねぇ、柊、私は聞いても良い?」

ドキドキしながら言葉を紡ぐ。


「.....」

柊は黙ったまま私へと視線を向けた。


震えそうになる両手をに膝の上で絡め合う。


...頑張れ私。

真実を知るために来たんだよね。

弱虫になってしまいそうになる自分を奮い立たせる。


ゴクッと生唾を飲んで、私は言葉を続けた。



「...柊が私と離れなきゃいけなくなった訳を私も聞かせて。私にも知る権利はあるよね?」

苦しんで悲しんで、自分を無くしそうになった。

あの日々が戻ってくる訳じゃないけど、知らなきゃ何も始まらない。



「...ああ」

話すよ、と柊は悲しそうに微笑んだ後、

「こんな日がいつか来てくれることを願ってたのかも知れない...俺は弱い男だから、自ら瑠樹に会うことを選ぶことは出来なかったけどな?」

と苦しげにテーブルに置いてあったグラスの中身を飲み干した。

柊から伝わってくる苦しさに、胸が焦げそうになった。


私が苦しんできた様に、柊も同じ時間同じ様に苦しんできたんだね?



「...柊は弱くなんてないよ」

こんな在り来たりな言葉しかかけれない私のボキャブラリーの無さに溜め息が漏れそうになった。



「ありがとう、瑠樹。お前は昔と変わらず優しいな」

伸びてきた柊の手が私の髪を優しく撫でた。


ううん、優しくなんてないよ。


「...柊」

「...瑠樹」

見つめ合う私達、どちらからともなく視線を逸らしたのは数秒後。




「今となっては全て言い訳に聞こえるだろうけど、聞いてくれ」

「ん。どんな話もきちんと聞くよ」

「ああ」

安心したように頷いた柊は三年前の事を語り始めた。