あの日あの時...あの場所で










「瑠樹、飯食おうぜ」

リビングから咲留の呼ぶ声。


ハッと時計を見る。

8時を回った辺りだ。



「お~い寝てんのか?瑠樹」

ドアのすぐ外でで再び聞こえた咲留の声に返事を返す。


「起きてるよ。直ぐに行くね」

「おう、了解」

去っていくスリッパの音。


さて、我兄が心配する前に行くとしますか。


私は椅子から立ち上がるとドアへ急いだ。


扉を開けてリビングに出ると、凄く良い匂いが漂ってきた。


「良い匂い」

と言った私の声は咲留に拾われた。


「美味そうな匂いだろ?今日はピザをテイクアウトしてきた。サブメニューも幾つか適当に買ってきたぞ」

キッチンからお皿とフォークを人数分持った咲留が現れた。


「あ、ピザ久しぶり」

「だろ?瑠樹の好物買ってたぞ。ほら、席につけ」

優しくて微笑んだ咲留に頷いてリビングのソファーに座った。

テーブルに処狭しとならんだ料理。


コーンチーズ厚切りベーコンピザとエッグ照り焼きチキンピザの二種類のMサイズピザ。

サイドメニューはまるまるポテトとナゲットと骨無しチキンとコーンクリームコロッケ。

咲留と二人で食べるには量が多いように思えた。


「美味しそう」

と言った途端にクゥッと鳴った私のお腹。


「ククク...やっぱり腹減ってのかよ?飲み物取ってくるだけだから、先に食ってていいぞ」

咲留は意地悪そうに笑って私を見下ろす。


「い...良いし。咲留を待ってる。ってか手伝おうか?」

全部用意してくれた訳だし、手伝わないとね。


「良いから座っとけ」

私の肩をポンポンと叩くと瑠樹はキッチンへと戻った行った。



咲留は言った通りに自分用のビールと私用のジンジャーエールの入ったグラスを持ってくると対面のソファーに腰を下ろした。


「おっ、待たせたな。さっ食うか」

私を見て優しくて微笑んだ。


「ん」

と頷いて咲留と一緒に両手を合わせた。


「「いだきます」」

二人一緒にいだきますをして、目の前のピザに手を伸ばした。