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チャラララ~
掛かってきたこの一本の電話が全てを動かし始めることを俺は知らずにいた。
溜まり場でぼんやりと煙草を吸いながら、借りてきたDVDをみていた。
もちろん、キングも一緒に溜まり場に居る。
ちなみに、この場所は最近溜まり場に使い始めた。
繁華街の端にあるつぶれたキャバクラを少し改造して溜まり場にした。
ここはキングの親父さんの組がその昔経営してたらしい。
そこを溜まり場に貰ったとかキングが言ってた。
夏休みになって学校で溜まるのも面倒になってきてたから、調度良かったんだけどね。
クーラーもあるし冷蔵庫なんかもあるし、かなり快適。
大型テレビとソファーを幾つか運び入れて、さらに過ごしやすくした。
学校の奴等も最近は自然とここへ集まってくる。
おっと、説明してる場合じゃない。
電話だったんだ。
俺はテレビの前に置かれたソファーから立ち上がる。
ソファーベッドに寝ころぶキングを尻目に、カウンターで着信を知らせるスマホへと近付いた。
「はいは~い、直ぐに出るよ」
なんて呑気に声をかけながら手に取ったスマホ。
着信相手を見て、一瞬息を飲んだ。
...瑠樹ちゃん...と表示されたそれに手が震えた。
思わずソファーベッドのキングに目を向けた。
うん、目を瞑って寝てる。
ふぅ.....と息を吐いて、ゆっくりと動きだす。
ここで話すのは不味い。
カウンターの向こうのバックヤードへ行こう。
キングに気付かれないように移動し続ける。
その間も鳴り響くスマホ。
いやいや、出なきゃ不味いっしょ。
取り合えず出てから移動だ。
「はい」
と出たら、
『もしもし、瑠樹です。今、良いですか?』
と期待通りの声がした。
「あ...っえっと..移動するから待ってくれる?」
キングの様子を伺いながら答える。
俺の行動を不思議な顔してみてる連中は、一先ず無視だ。
『あ...はい。忙しい時にごめんなさい』
あ~ぁ、瑠樹ちゃん可愛いなぁ。
「良いよ良いよ。こっちこそごめんね」
顔を綻ばせながら、バックヤードへ駆け込んだ。
もちろん、音をたてずに。



